復興特別所得税
2011年3月11日、東北地方は未曽有の大災害に見舞われました。そして、震災の被害からの復興にかかる費用の財源とするために国は復興特別所得税を創設いたしました。 25年間、個人が納税する所得税額に2・1%を加算するといったものであります。
この復興特別所得税の加算について国民からの反対はほぼなく、東北の復興には当然と思う日本国民がほとんどでありました。
しかし、今回、岸田内閣は防衛費増額の財源として、この復興特別所得税を充てようと考えているとの報道ありました。
もともと、十分な復興がなされればこの特別税は期限前でも廃止すべき性質のものといえるはずであるにもかかわらず、「復興が終わればその税金は防衛費に使ってしまえ」とする政府のやり方には憤りを感じます。
震災に遭われた方々の復興に充ててほしいとの国民の願いを踏みにじるものと言わざるを得ません。
防衛費増額の必要性があるなら、もっと国民から理解や信頼が得られる方法を考えるのが総理や大臣になるような能力ある集団の資質であり、金が余ったから科目間流用も厭わないといった安易な考え方で、国民感情を煽るようなやり方では、岸田内閣を支持する国民が減っていくのは当然であります。
政治家は、政党や自分の地位のために存在するのではなく、自己の政治生命をかけてでも常に必死になって国民のためにとことん汗を流し、国民の代表として同じ政党であろうと、誰であろうと自己の考えをしっかりと堅持して国民を守っていく責務があることを改めて自覚してほしいと私は思います。